(Xに連投していたテキストですが、長くなってきたのでポストにまとめます)
『大友克洋全集12 AKIRA 1』読む読む。これまでから大幅増量の41P+掲載誌の表紙+原稿で確認できたホワイトメモ抜粋と気合十分。読み手にも気合が求められる。これでも連載当時は毎号食い入るように読んでいた読者なので、AKIRAの解説本も本気で読み解いていくのが一読者として払うべき敬意ではないか。発行人の鈴木さん、毎回本当にありがとうございます。
本編の解説に入る前に連載の経緯に11ページが費やされてこれまた情報量が半端ない。雑誌掲載号は3冊ぐらいしか持ってないけど今買うとどれも高いなー。このパート、注釈記号が&%$だったりしてちょっとユニーク。
連載の決意を固めたのが連載開始直前の1981年末頃でも、それに向けたさまざまな構想が数年越しで進められていた経緯。このパートだけで十分歴史的な価値がある。
常駐アシスタントを雇うためにマッシュルームを起ち上げた経緯もまた興味深く、汐崎まこと氏の関与の経緯もなんだか面白い。トークショーでお披露目されてたアシスタント歴史年表、完全版が望まれる。
連載開始に向けた末武康光氏関与の経緯もなんだかアベンジャーズ感あってわくわくする。連載予告絵の「アキラ」も本編と似て非なるただの少年として描かれてるようだけど、結果的に本編と近い風貌ですね。
第1回の解説だけで6ページ弱。連載時オープニングはリアルタイムで触れていなかったのでスピード感とナレーションの違いによって印象ががらりと変わる。発動の日付誤記はこれまで知らない情報だったので興味深い。
ネオ東京XX年の表記は連載版のみだったのか。第4巻冒頭でも単行本化されていない見開きページがあったけど単行本で符丁を合わせたということね。
P13は連載・単行本・全集(加筆修正された単行本版)でそれぞれ違いが出た(出てしまったというべきか)とのことだが、このあたりの経緯も細かくわかるのが解説の面白さですね。全集は連載版に戻した結果フキダシが描き文字多めになっているのも新鮮。
第2回。毎回のあらすじは編集者が書いていたが、読者と同程度の情報から作られていたので不明なところは不明なりに書かれている趣。P39の高層ビルはメビウスの俯瞰を応用したものらしい。奇数ページのため左右逆転した結果、読後感やヒキのインパクトが異なる。
第3回。この回も単行本版からの左右反転に戻って違う印象。タカシの力のモチーフは「ブリキの太鼓」らしいということで有名だけど、これまで明示されていなかったことは意外。
第4回は単行本版の左右に戻る。お馴染みの絵柄と思いきや、P85の台詞の入れ替わりは未知でした。これはこれでストーリーが成立するのも興味深いけど、単行本版のほうが自然になっていますね。
つづく。



























