平田弘史「大地獄城」と「復讐つんではくずし」を読み比べる

大地獄城
http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=heavensdooror-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4883792323&fc1=000000&IS2=1&lt1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr

平田弘史劇画創世期傑作選(「復讐つんではくずし」収録)

http://www.laputa.ne.jp/hirata/hirata.html

結論から書くと、オリジナルの「復讐つんではくずし」の圧勝。
リメイクされた「大地獄城」は画風も全盛期の平田先生のそれでなじみがあるので読みやすい。若干の設定の違い(太平の歯を切り落とすのが大殿だったり囚人たちの苦役の形式が違ったりなど)はあるものの、ほぼオリジナルを踏襲したストーリー展開。だが「復讐つんではくずし」を初めて読んだときの「何か非常にいけないものを見てしまったが見てしまった以上下には戻れない異常感覚」に襲われることもなく安心して読めた。(まあ内容はほぼ同じなのだが)
とはいえリメイクの本作でも大殿の重盛(オリジナルでは利高)に対する仕打ちの描写は目を覆うばかりで、歯を全部切り落とされ目と耳を削がれ片目を空洞にされた大殿の描写は平田先生以外には描けない圧倒的な迫力を産んでいる(くどいがオリジナルのほうが描写はきついよ)。

それにしてもオリジナル掲載時著者23歳、リメイク時31歳。天才の業とはまさにこれか。
挿絵調の画風が異様な迫力を生んでいるオリジナル「復讐つんではくずし」は一生に一度は読め。

このあたりも参照

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_21d4.html

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